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言語聴覚士(ST)の訪問看護・訪問リハ需要が急増中|キャリアの可能性と将来性

言語聴覚士(ST)の訪問看護・訪問リハ需要が急増中|キャリアの可能性と将来性

「STって訪問看護・訪問リハで需要あるの?」

「病院勤務と比べて、どんな違いがあるの?」

「STが訪問看護・訪問リハに転職するメリットは?」

言語聴覚士(ST)は、PT・OTに比べて絶対数が少ない希少資格です。

そのため、訪問看護・訪問リハの現場では「STを採用したいけど、なかなか見つからない」という声が非常に多く、需要は急増しています。

この記事では、なぜ今STの訪問看護・訪問リハ需要が高まっているのか、病院勤務との違い、年収、キャリアの可能性を現役STが解説します。

STの需要が急増している3つの理由

なぜ今、訪問看護・訪問リハでSTの需要が急増しているのか?

訪問看護・訪問リハの現場では、STの需要が急速に高まっています。

① 在宅での嚥下障害・摂食障害のニーズが急増

高齢化が進む中、在宅で生活する高齢者の嚥下障害・摂食障害が増加しています。

  • 脳血管疾患後の嚥下障害
  • 神経難病(パーキンソン病、ALS、多系統萎縮症など)
  • 加齢による嚥下機能の低下 ・誤嚥性肺炎の再発予防

これらの利用者に対して、STによる専門的な嚥下評価・訓練が求められています。

② STの絶対数が少なく、訪問看護ステーションが採用に苦労している

PT(理学療法士):約19万人

OT(作業療法士):約10万人

ST(言語聴覚士):約3.8万人

STはPT・OTに比べて圧倒的に人数が少なく、希少人材です。

そのため、訪問看護ステーションは「STを採用したいけど、なかなか見つからない」と悩んでいます。

③ 診療報酬・介護報酬でSTの評価が高まっている

訪問看護・訪問リハにおいて、STによる嚥下訓練・言語訓練は診療報酬・介護報酬で評価されており、ステーション側にとっても経営的にメリットがあります。

特に、嚥下機能評価は医師と連携して行うことで高い報酬が得られるため、STの存在は訪問看護ステーションにとって非常に価値が高いのです。

訪問看護・訪問リハにおけるSTの役割

訪問看護・訪問リハのSTは、主に以下の業務を担当します。

STの主な業務内容

嚥下訓練・嚥下評価

・嚥下機能の評価(反復唾液嚥下テスト、改訂水飲みテストなど) ・間接訓練(アイスマッサージ、嚥下体操、舌運動訓練) ・直接訓練(段階的摂食訓練) ・食事形態のアドバイス(とろみ、ミキサー食、刻み食など) ・家族への食事介助指導 ・多職種(医師、栄養士、ケアマネ)との連携

言語訓練

・失語症の評価・訓練 ・構音障害の評価・訓練 ・コミュニケーション手段の検討(ジェスチャー、文字盤、タブレット) ・家族へのコミュニケーション支援

高次脳機能訓練

・記憶障害、注意障害、遂行機能障害などの評価 ・認知機能訓練 ・生活における代償手段の提案

その他

・バイタル測定 ・利用者・家族とのコミュニケーション ・多職種との連携 ・訪問記録・計画書・報告書の作成

訪問看護・訪問リハのSTが特に重視されること

✓ 嚥下機能の評価と訓練

✓ 誤嚥性肺炎の予防

✓ 家族への食事介助指導

✓ 医師・栄養士・ケアマネとの連携

病院と違い、利用者の「生活の場」で直接支援できるため、より実践的で効果的なリハビリが可能です。

病院勤務のSTと訪問STの違い

訪問看護・訪問リハのSTと病院勤務のSTには、大きな違いがあります。

項目病院勤務のST訪問看護・訪問リハのST
業務場所病院内(リハ室、病室)病院内(リハ室、病室)
1日の患者数10〜18人4〜6人
1人あたりの時間20〜40分40〜60分
対象疾患急性期〜回復期慢性期・維持期
嚥下評価VF・VE実施可能臨床的評価が中心
食事場面病院の食事利用者の実際の食事
家族への指導限定的毎回直接指導可能
多職種連携院内で常時連携電話・カンファレンスで連携
残業カンファレンス・記録で発生少なめ

訪問看護・訪問リハのSTのメリット

✓ 1人の利用者にじっくり関われる

✓ 実際の食事場面を直接評価・訓練できる

✓ 家族への指導が手厚くできる

✓ 生活環境に合わせた実践的な支援ができる

✓ 残業が少ない

訪問看護・訪問リハのSTのデメリット

✓ VF・VEなどの精密検査ができない

✓ 訪問中は一人で判断する場面がある

✓ 移動時間がある

✓ 天候の影響を受ける

STが訪問看護・訪問リハで活躍できる理由

STは訪問看護・訪問リハで特に活躍しやすい職種です。

① 実際の食事場面を直接評価・訓練できる

病院では「病院食」での評価になりますが、訪問では利用者が実際に食べている食事で評価・訓練ができます。

・自宅の食事形態(家族が作る料理)

・食事環境(テーブルの高さ、椅子、食器)

・食事介助の方法(家族の介助方法)

これらを直接確認し、改善できるのは訪問ならではの強みです。

② 家族への指導が手厚くできる

病院では家族指導の時間が限られますが、訪問では毎回家族と直接話し、具体的な指導ができます。

・安全な食事介助の方法

・食事形態の調整方法

・誤嚥のサイン

・緊急時の対応

③ 長期的に利用者と関われる

病院は入院期間が限られますが、訪問では数ヶ月〜数年単位で同じ利用者と関われます。

そのため、利用者の変化をじっくり観察し、長期的な視点でリハビリを提供できます。

④ 希少価値が高く、採用されやすい

STは絶対数が少ないため、訪問看護ステーションから非常に求められています。

未経験でも「STなら採用したい」というステーションは多く、転職しやすい環境です。

ST未経験でも訪問看護・訪問リハに転職できる?

「訪問看護・訪問リハは未経験だけど、転職できる?」

答えは、YESです。

未経験STでも転職できる理由

✓ STの需要が高く、ステーション側が「育てたい」と考えている

✓ 同行訪問期間が長く、丁寧な教育を受けられる

✓ 病院での嚥下評価・訓練の経験があれば、十分に活かせる

未経験STが訪問看護・訪問リハに転職する際のポイント

✓ 教育体制が整っているステーションを選ぶ

✓ 同行訪問期間が2〜3ヶ月以上あるか確認

✓ STの先輩がいるステーションだと安心

✓ 定期的な勉強会・カンファレンスがあるか確認

未経験STに求められるスキル

✓ 基礎的な嚥下評価・訓練の知識

✓ 失語症・構音障害の基礎知識

✓ コミュニケーション能力

✓ 学ぶ意欲

病院での経験が1〜2年あれば、訪問看護・訪問リハへの転職は十分可能です。

STの年収・待遇(訪問看護 vs 病院)

訪問看護・訪問リハのSTの年収は、病院勤務と比べてどうでしょうか?

STの平均年収(首都圏)

  • 病院勤務のST:年収350〜450万円
  • 訪問看護・訪問リハのST:年収400〜550万円

訪問看護・訪問リハの方が、年収が高い傾向にあります。

訪問看護・訪問リハのSTの給与例

・月給:28〜38万円

基本給:24〜30万円

資格手当:2〜3万円

訪問手当:2〜5万円

・賞与:年2回(合計2〜4ヶ月分)

・年収:400〜550万円

年収アップの方法

✓ 訪問件数を増やす(5件→6件)

✓ オンコール当番を引き受ける(月4回で2〜3万円)

✓ 管理者・主任に昇進する

その他の待遇

✓ 残業が少ない(月10時間以内が一般的)

✓ 有給休暇が取りやすい

✓ 訪問件数によって柔軟に働ける(時短勤務も可能)

STのキャリアパスと将来性

訪問看護・訪問リハのSTには、どんなキャリアパスがあるのでしょうか?

キャリアパス① 訪問看護のスペシャリスト

嚥下障害、失語症、高次脳機能障害などの専門性を深め、難易度の高い利用者を担当するスペシャリストを目指す。

キャリアパス② 管理者・主任

訪問看護ステーションの管理者や主任になり、ステーション全体の運営に関わる。

管理者になると、年収500〜600万円も可能。

キャリアパス③ 複数ステーションの統括

複数の訪問看護ステーションを統括するエリアマネージャーとして活躍。

キャリアパス④ 独立・開業

訪問看護ステーションを自分で開業する道もあります。

STの需要が高いため、ST特化型のステーションも成立します。

キャリアパス⑤ 教育・研修講師

訪問看護・訪問リハのST育成のための研修講師として活動。

STの将来性

✓ 高齢化が進み、在宅での嚥下障害・言語障害のニーズは増加

✓ STの絶対数が少なく、希少価値が高い

✓ 診療報酬・介護報酬でSTの評価が高まっている

✓ 訪問看護ステーションの増加に伴い、ST需要も増加

今後も、訪問看護・訪問リハにおけるSTの需要は高まり続けると予想されます。

まとめ

言語聴覚士(ST)は、訪問看護・訪問リハにおいて最も需要が高く、最もキャリアの可能性が広がる職種です。

参考・参照情報

厚生労働省 介護サービス情報公表システム|訪問リハビリテーション
https://www.kaigokensaku.mhlw.go.jp/care_services_guide/care_services_guide_service05.html

厚生労働省 職業情報提供サイト job tag|言語聴覚士
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/169

日本言語聴覚士協会|言語聴覚士とは
https://www.japanslht.or.jp/what/